語られる「チュベローズで待ってる AGE22・32」~Twitter文学賞結果発表会の話~
こんばんは。家を出た瞬間にくしゃみが出ましたが、懲りずに梅を見に行って涙を流しながら写真を撮ってました。くしゃみ、涙、鼻水が止まらない夜を迎えております。
さて、昨日の14:00~Twitter文学賞結果発表会が行われました。
@tb_award YouTube上でも、2018.3.03に行われた「第8回 Twitter文学賞 結果発表」の模様をUpいたしました。 https://t.co/J7YdbPcTa7 よりご覧いただけます。#tb_award #twitter文学賞 #ツイッター文学賞
先ほど結果の確認と、「チュベローズで待ってる」へのコメントのところだけ先に見た。リアルタイムで見てなかったのと、Twitterでもまだ見ないようにしていたので、結果を見るのもかなり恐る恐るだったけど、加藤さん、1位おめでとうございます。
最後に主催者の豊崎さんは以前わたしもブログに書いたような内容にも触れた。
しかし決して加藤さんに不利なニュアンスでなかったことが、この「チュベローズで待ってる」への評価なのだと思う。少しでも加藤さんのおこがましさが素直な喜びに変わったらいいなぁ。
発表会の様子ですけど、みなさんが加藤さんの作品について話している様子だけでもわたしはうれしくて。やっぱり人の解釈を聞くのはとてもたのしい!普段本に関わる方々のことばの中にはもちろん専門的な視点もあるし、なんとなく思っていたことが言語化されてスッキリした部分もあった。もちろんアイドルという先入観はあったはずだけど、こうして評価してくださっているので、さらにうれしい。
内容が面白いし、ファンとしてうれしいことばが飛び交うので、どうしても文字で残しておきたくて、今回文字起こしをしてみた。
豊崎由美さん(書評家)、大森望さん(書評家・翻訳家)、杉江松恋さん(ライター)、佐々木敦さん(批評家)、倉本さおりさん(ライター)が当日登壇されてます。(※表記はTwitter文学賞内での表記に基づく) 以下、1位発表→杉江さんによるあらすじ説明の後、2:33:56頃からのコメントです。
杉江さん:
これまで結構一人称とかを用いて青春小説の面が割と前に出てきてて、プロットの書き方なんかはやはり「粗いな」と思うときはあったわけですね。で、今回は完全に自分の芸能人としての立ち場は離れて、ミステリーといいますか、エンターテイメントのプロットをうまく使いこなしてるっていう点では、作家としては本当に成長を遂げていると思いますし、まぁどっちかっていうとみんな最初の上巻に当たるAGE22だけを見てですね、「若者がホストクラブ、ありがちなテレビドラマになりそうなネタだよね」と思ってると思うんですけど、大森さんも週刊新潮の書評で書いてると思いますけど、どっちかっていうと下巻の方が主だし、下巻の方のいろんな展開があって、あととんでもなく変な人物がでてきたりするんですけど、ああいうネタとかの仕込みとかが面白いんじゃないかなと思うんですけど、SF的にはどうなんですか?(笑)
大森さん:
なんか、著者のインタビューで伊藤 計劃*1を参考にしたとかいうね。
豊崎さん:
読書家なんですよね、加藤さんは。
大森さん:
「伊藤 計劃リスペクトで近未来要素のガジェットを作らないといけないと思っていれた」っていう風に言ってて、まぁでもあの俺は『ゲームの王国』*2のネタと比べれば明らかにですね、チュベローズのSFネタは弱いですよね。弱いっていうか、まぁあんまり筋はよくない。でも全然ダメかっていうとギリギリは成立しているので、別にSFとか近未来とかいう必要はない、ほぼ現代小説として成立しているし、むしろゲーム会社が訴訟リスクにさらされたときの役員会の描写とかがちゃんと書けてるところが、そのへんがビジネス小説。急にビジネス小説になるんですよ。上巻AGE22ではホストクラブでどうやって成り上がるかみたいな、ホストのテクニックとか、客から金を引き出すコツみたいな話が語られるんですけど、それはそのままビジネス小説にスライドしていくし、マキャベリの『君主論』かなんかをずっと読んでるっていうか、彼にとってメンターの役割を果たすゲーム会社に勤めてた役員の年上の女性っていうのがですね、いろんな面接のコーチングとかをするんですけど、その彼女の家にあったのが『君主論』で、その『君主論』に、その彼女はどうして『君主論』を持っているのかとかね。彼女の行動っていうのが結構上巻では様々謎な、謎めいた行動とかするし、謎めいた運命をたどるんですけど、その謎が下巻の伏線に実はなってる。だから上巻だけ読んでもあんまり伏線と思わないんだけど、実はそれが全部伏線にだったってことがわかって、しかもその伏線の回収の仕方があまりにもとんでもないので、完全にバカミス*3です!(笑)バカミスっていうか、「ありえないだろう!」とか思うよね、こんなことを普通書かないというような謎解きが。
倉本さん:
ミステリー警察はどうですか?(笑)
杉江さん:
あのね、ミステリー警察的に言わしてもらうとですね、
大森さん:
普通のミステリー作家は書かないよね。
杉江さん:
うん。いや~、あれはね、書くと整合性がどうとか、
大森さん:
そうそうそう(笑)
杉江さん:
現実的にどうかなとか思うところだと思うんですけど、
大森さん:
最初の方にちらっと謎の部屋が会社の中にあるみたいな話が出てくるんですけど、そういうのが全部、「え、それがそうだったの」っていう(笑)「でも普通ありえないよね」みたいな話を平気で書いてるところがやっぱり、結構新鮮な驚きがあってですね、それをジャニーズの人が書いてるって思うと、ますますどう考えたらいいのかわからないというような、その、壮大な、なんていうか(笑)、サプライズが。
杉江さん:
でもあのネタは面白かった。
大森さん:
面白い。面白い。
杉江さん:
びっくりしましたもん。
大森さん:
予想しない。だって普通さ、杉江松恋とかもうどんなミステリー読んでも驚かないからだになってるわけですよ。それでも不意をつかれるからね。
杉江さん:
「なにこれ!」と思いましたからね。そして今までの話はなんだったんだっていう(笑)
大森さん:
そうそうそうそう(笑)そっちがすごすぎてそれまでの話が全部飛んでしまうというね。僕はでも寝物語的にホストクラブの客が就職面接の指導をするとかいうところが結構好きでしたけど。『フリッカー、あるいは映画の魔』*4 みたいな。
杉江さん:
なるほどね(笑) セオドア・ローザック*5ですか(笑)
豊崎さん:
私あの申し訳ないんですけどちょっと時間がなくて、最初のAGE22しか読めてないんですけど、大森さんと私は"文学賞滅多切り"っていう下品な仕事をしてるので(笑)、あの時々ね、芸能関係の方が書いてる小説も読まざるを得なくて読んだりする。私は想像以上に加藤さんの文章はしっかりしてるなと思いました。はっきり言って前の『ふたご』*6?世界がどうしたの『ふたご』?あの人と比べたら、本当にプロ。プロの文章だなと思いました、プロのエンターテイメントの文章だなと思いました。で、ただ、これ言っとかなきゃいけないんですけど、さっき5位の大森さんのことにも触れたので、やっぱ言わないと不公平になるから言いますが、いろいろ今回323票を投じてくださったみなさんとTwitter上でいろいろやりとりがありました。で、いろいろ誤解もありました。その中で私は全部無視して当該ツイートを消した大森さんと違って、「加藤シゲアキさんのファンで、加藤シゲアキさんを応援したくて、そして加藤シゲアキさんの小説を読んだら本当に面白いから、本当に面白いからTwitter文学賞というものがあるんだから、投じたいわ」って投じた人たちの気持ちは伝わりました。私の中ではこの1位に関してはまったくわだかまりはありません。基本的にTwitter文学賞は投票で成り立ってます。Twitterをやってる人だったら誰でも投票できます。だから、こういう、今まではどっちかっていうと純文学作品とかが強かったりとか、あったから、いろいろ思う人もいるかもしれないですけど、私は杉江さんからね、前から「加藤さんはすごく頑張ってる。加藤さんはすごく勉強なさってるし、小説もどんどん良くなってる」って聞いてましたから。で、自分もAGE22を読む限りにおいては、「Twitter文学賞1位おめでとうございます」っていう風に普通に思います。ですから、本当にみなさんも素直にね、心の底から加藤さんの今回の1位をお祝いしてほしいと思います。加藤シゲアキさん、本当におめでとうございます。
以上です。う~~~ん、やっぱりうれしい。 そしてわたしも下巻を読んだときに、「上巻はなんだったの!?」って思った。
今回を機に、本好きな人が加藤さんの作品を、加藤さんのファンが文学に興味を持てたらすごく良いなぁと思います。誰かにとって、良いきっかけになりますように!
*1:伊藤 計劃…SF作家。処女作はゼロ年代日本SFのベストに挙げられている。(Wikipediaより)
*2:『ゲームの王国』…小川哲著のSF小説。下巻にて登場人物が脳波測定を用いた最先端のゲーム開発に携わったりする。
- 作者: 小川哲
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/02/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
*3:バカミス…日本国内における推理小説の分類の1つで、「おバカなミステリー」もしくは「バカバカしいミステリー」の略語である。ただし、この「バカな」は(この言葉の定義については諸説あるが、一般的に)小説作品を侮辱するような意味合いの「馬鹿な」ではなく、「そんなバカな!!」のような感嘆、賛嘆などの意味を込めたものと解釈される。(Wikipediaより)
*4:『フリッカー、あるいは映画の魔』…セオドア・ローザック著のミステリー小説。「このミステリーがすごい!」1999年版(1998年の作品) の海外部門1位作品。
*5:セオドア・ローザック(Theodore Roszak)…アメリカ合衆国の歴史学者、カリフォルニア州立大学イーストベイ校の歴史学名誉教、小説家。(Wikipediaより)
*6:『ふたご』…某音楽グループのメンバーの初著書である青春小説。
アイドル畑で戦い続ける作家とファン〜Twitter文学賞と加藤シゲアキ〜
こんにちは。
最近気がついたんだけど、付き合いが深い人には「B型だっけ?」と言われる傾向にあります。
本を初めて読んだのはいつだろう。
幼稚園の頃の絵本が家にはたくさんあるんだけど、「ゆめみてころころじゃがいもむすめ」という本のことは特別よく覚えてる。
小学校に入ると図書館によく通った。学校の図書館、市の図書館。本に囲まれたその場所がだいすきでした。外でみんなと遊ぶのがたのしい反面、ひとりで読書をするのも知らないところへ旅をしているようでたのしかった。それは中学生、高校生、大学生、そして社会人になっても変わらない。すきが転じて図書館の司書資格も取得してしまったほど。
今でも本を読むことは生活の一部で、本屋にいくたびに新刊に手を伸ばしてしまう(そして月末に食費を削る羽目になる)。ドル誌とともに小説を抱えてレジに向かう人がいたら、わたしかもしれません!
わたしは今朝読みました、クラウド。
昨日は早くから寝てしまっていたので、TLの異変に気が付いたのも朝です。たくさんの方が「Twitter文学賞」や「クラウド」、そして「加藤シゲアキ」についての思いを連ねていた。「あれ?もしかして何か言及したのかな…」そう思いながらジャニーズwebを開くのが少し怖かった。だって今回の件を知って、シゲが傷つかないわけないから。そしてもしかしたらファンがドキッとするようなことを言っている気がして。
彼の綴った文章を読みながら、自分でもなぜかわからないけど泣いてた。泣くなんて思ってなかったんだけど!!!
「アイドルだから」起きた出来事
今回の件についていろいろな意見があることはTwitterだけでもよくわかりました。だけど「この人の意見は間違ってる」 なんてことは1つもなかった。こういう正解のない問題に関して、意思のある声は全部間違ってないと思っているので、わたしの声も一個人の考えとして見ていただければ幸いです。
ことの発端はTwitter文学賞の主催者さんが「Twitter文学賞に対する組織票は控えてください」というような内容をツイートしたこと。どうやらシゲの作品に対して組織票なるものが見受けられたらしい。元々Twitter文学賞も知らなかったし、投票もしていなかったので完全に外側から眺めていました(少し思ったことはつぶやいたりしてましたが!)。それから数日、クラウドでシゲがその件に関して言及したわけです。
詳細な内容をここに書くことはできないけど、ファンが気にしている以上にシゲ本人が1番敏感になってしまう「アイドルだから」という部分に触れる出来事だった気がします。
この手の話題で1番心を痛めてるのは彼のはずなんだけど、Twitter文学賞のため、ファンのため、そして何より自分のため、自分の作品のためにすぐに言及できるシゲは強いなぁ。そう思うと同時に彼の口から「僕に対する票は全て無効にしてほしい」「不快な思いをさせたくない」だなんて言わせてしまったことが悲しくてしょうがなかった。そして悔しくて、悔しくてたまらない。
だって彼は「ピンクとグレー」を書き始めたときから理解してたはずだから。「叩かれると思っていた」というニュアンスのことは作家デビュー時のインタビューでも言っていて。”ジャニーズ”という色眼鏡で見られる覚悟を持って、こういった物議を醸すことも予測して、何度も何度も「アイドルの書いた小説が世間からどう見られるか」という意識と戦いながら、これまで書き続けてきたはずです。だから正直今回のクラウドからは若干の苛立ちのような、ままならない歯がゆさを感じてしまった。「最初からわかってるよ。だからわかってよ」って(あくまで個人の印象です)。
こういった「アイドルだから」にまつわる出来事が起こるたび、今回クラウドで言及したように、ファンにも文学にも真摯に向き合っていくんだろうね。そういうシゲがすきです。文学の領域では作家としてだけ、作品の面白さだけで輝けるように、ファンとしても間違えてはいけないなと思いました。
作品を正当に評価しないのは本好きだけじゃない
以前タイプライターズで、1作目が発売される日に「叩かれる朝が来た」と思ったという話をしていた。アイドルの書いた小説が叩かれる(=受け入れられない)と考えていたのは、シゲ自身が本を読む人だから。いわばTwitter文学賞に純粋な気持ちで投票する側です。一方で彼は、全国に”加藤シゲアキ”という本人のファンがいる作家。作品以前に本人が受け入れられている世界なので、一般に受け入れられない可能性があるとはいえ、作品が手放しに喜んでくれるファンが存在する。
だからアイドルとして作家をする苦悩としては、
「アイドルの書いた本だから」と一般の方に敬遠されること、正当に評価されないこと
だと思っていたんです。だけど今回の件を通してそれだけじゃないって気が付いた。正当に評価してくれないのは一般の方だけじゃなくて、ファンもだった。もう1つの苦悩は、
「すきなアイドルの書いた本だから」とファンに持ち上げられること、ある意味正当に評価されないこと
なんじゃないかと思いました。クラウドを読んでなんとなくそう感じました。応援してもらえてうれしい反面、複雑な気持ちも抱えているのかもしれない。ここでまた、そういう感情と対峙し続けているシゲが強いなぁと思う。
でもアイドルのファンをやっているとそうなるのは当たり前というか。そりゃあ自分のすきな人の創作物が愛しくないわけないじゃん!!!フィルターがかかって当然だよ!!!とも思います!!!
結論なにが問題だったのか
「じゃあなに、シゲがすきだからシゲの本もすきなのがダメなわけ?」みたいな話になってきます。「ピンクとグレー」から「チュベローズで待ってる」まで、大半の読者は「シゲがすきだから」というきっかけで手に取っていると思うので、問題はそこじゃない。それはシゲも含め、みんなわかってると思います。
なにが今回言われているのかって、
”「シゲの書いた作品だから」投票しよう”みたいな動き
のことですよね。
ジャニーズに限らず、ファンというものの連帯感はすごいけど、時々怖くなるときがあります。すきな対象を手放しに褒めること、「みんな買おうね」「みんな聴こうね」「こうだよね、ああだよね」みたいな。自分もいろいろなもののファンであるがゆえ、わかってしまう気持ちです。ただ1人が思っていることを100人が共感しているのを見ると怖くなってしまう。わたしは”みんな一緒”っていう概念がきらいで、「みんな一緒なわけないでしょ!ちょっと違うって思うこともあるでしょ!」と思う人なので。幸いなことにNEWSファンの中には辛い意見を言う人もいるので、そういう人の声を見てハッとさせられることがよくあります。
今回はそういうファンとしての悪い部分が文学というフィールドに踏み込んでしまったゆえ、Twitter文学賞の主催者さんやシゲが言及するにまで至ったんじゃないでしょうか。どのジャンルにも言えることだけど、すきな領域が自分と自分を取り巻く環境によって乱されていく様子に我慢がならなかったからなのかなと思います。
あ~、ここまで書いてやっと自分の感情が整理されてきました~。あと最後に1つ言うとすれば、音楽や文学といった芸術の賞は、政治家の選挙とはわけが違う。票の多さにはほぼ価値がないんです。選挙は票の多さで当落、勝ち負けが決まるので選挙活動をしなくちゃいけない。だけどこういう感情に左右される票は、票の数より1票の重さの方が大切な気がします。勝ち負けが決まるレースにおいてはきれいごとだけど、本の良さに勝ち負けを争うレースはありません。どんな賞を取っても文学界で勝ったことにはならないのです。たくさんに人に読んでもらえるのは間違いないので選ばれることは作家にとってうれしいことではあると思うんだけどね、それは純粋に「面白いから」評価された結果でないと意味はない。なのでわたしは「投票しよう」と先導する人の気持ちがわかりませんでした。
いろいろ書いてきましたが、基本的に誰も悪くないし、「作品が面白いから」という理由で票をいれたシゲファンには堂々としていてほしい!きっかけがシゲであっても、本を読んでドキドキした気持ちは嘘じゃないはず。それを否定する権利は誰にもありません!!!票を取り下げるどうのこうのってところはTwitter文学賞の主催者さんも望むところではないように見受けられます。
クラウドを読んでいろいろ感じるところがあって、センチメンタルな気持ちのままこうしてブログに書き殴ってるけど、ただただ個人の思いなので正解も不正解もない。憶測でしかない。ただこれから先、シゲが「評価されること」を素直に受け入れられるような環境になっていけばいいなぁと強く思います。言いにくいことだったと思うけど、ちゃんとことばにしてくれてありがとう!優しくて、誠実で、強い人だなぁとまた思わされました。
ファンとしても本好きとしても、まっすぐに彼の作品を愛していきたい!
はじめてのじゃにしょ〜ジャニーズショップに行った話〜
こんばんは、新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。
さてさて、NEWSニューシングル「LPS」が1/17に発売され、来週1/24にはツアーDVD「NEVERLAND」が発売されるというNEWS担にとってのお祭り期間の中、わたしはとある場所に出向いた。
ジャニーズショップin原宿
である。
ジャニオタ歴1年と少し、わたしはジャニショに行ったことがなかった。特に理由はない。そんなわたしがなぜこの機会に行こうと思ったのか。
ツイッターのTLががざわついていたからです!!!!!
しかもその大半が増田担。
なにやら増田さんがいつにもなく爆イケらしい。
行こうかな…、行っちゃおうかな…。
ちょうど渋谷で映画観ようと思ってたところだしな…。
よーーーし、行っちゃおう☆☆☆
※すきなモノに対しての行動力には定評があります。毎晩のお風呂もこれくらいスムーズに入りたい。入れない。
電車に揺られ、駅を降り、竹下通りを歩いてたらあるかなぁと適当に歩いてたら、全然違う場所にありました(爆死)地図を見てテコテコ歩いて向かうと、人が多いのですぐにわかったんだけど、入口には警備員さん。
Q「ん?規制してる?すぐに入れないのだろうか?」
↓
A「入れない」
へ、へぇ…… 30〜40m先の広場で、ふぅん…… なるほど、いつだか原宿に来た時に「一体この列は?」と思っていたけど、ジャニショの列だったんですね!よもや自分がこの列に並ぶことになるとは!人生なにがあるかわかりません。
「ショップまで誘導します〜、皆様おそろいですか〜」
ここまでは15分くらい。警備員さんの声とともに、ジャニオタの皆様とわたしはジャニーズショップに誘導されていく。外国の方は「ジャパニーズ宗教…?」と不思議がっていたことでしょう。
アイドルを愛する女たちの列は地下へ続き、いざにゅうてーーーん!!!
アレ!思ったより!スッキリしてる!!!(笑)
これ最初の印象でした!!!(笑)
なんかもっとごちゃごちゃバーーーッてしてる店内を想像してたので、思ってたより無機質で公式ショップっぽいな〜〜〜って!(笑)シンプル!
入口の方が混み混みでヒョエ〜〜〜ってしてたけど、奥は意外と空いていた(うれしきかな、かなしきかな) そしてNEWSの前まで来ました。どうも初対面ですね、ジャニショのお写真たち。
まっ………
増田さん……
(ここで記憶が一旦途絶える)
はい、目覚めた。
そして目覚めた瞬間、「どれにしようかな~」なんて悩む間もなく、増田さんのお写真全部とあと数枚の番号を確かめて、紙に「1」「1」「1」…と書き、レジの列に並びました。地下から並んでいて、「前2時間くらい並んだ〜」という声が聞こえたのでビビッてたけど、15分くらいで「1階店内に30名様ご案内しております」という声とともに1階へ。
ずらっと並ぶ列の先のレジは9番まであり、レジ打ちの店員さんとお写真探しの店員さんがそれぞれいます。女性の店員さんがほとんどで男性の店員さんは2人くらい。
ピビピピピピビピピピ。
ピビピピピピビピピピ。
え、
レジ打ちちょーーー速くない…!?!?
とにかくレジ打ちの速さに目がテン。特にメガネの女性店員さん、さばくのが速すぎる!!!!!
レジの後ろに写真のはいった棚が並び、図書館みたいでした。大学の頃、半泣きで書庫から文献を探していたことを思い出した。卒論の時期は毎日書庫に篭っていたよ。
ピビピピピピビピピピ。
ピビピピピピビピピピ。
さて、レジまでやってきました。レジの店員さんに紙を渡します。そして、レジに表示されていく「NEWS」「NEWSコンゴウ」…
「マスダタカヒサ」「マスダタカヒサ」「マスダタカヒサ」
ウッッッ…、なにこの、
「マスダタカヒサ」に貢いでる感!
あの表示の破壊力ってばスゴイ。しかしもっとスゴイのはこの後。
お支払いを済ませて待っていると、お写真を回収してきてくれた店員さんが到着。そして1枚1枚並べていくではありませんか!!!
「(ヒョエ~~~、自分で買っといて恥ずかしい~~~!!!)」
「(え…、いや待って、増田さんがカッコよすぎて直視できない。早くしまってください!!!)」
あのときのドキドキと「わたしは増田担なんだ」という実感は忘れません。衝撃でした。
そして足早にジャニショを後にした。鞄にだいすきな人たちの写真を忍ばせて。
ジャニオタの皆様がこれだけ集まる空間にコンサート以外で行ったことがないのでドキドキしましたが、キラキラした皆様に紛れてなんとかお写真を買うことに成功しました!!!ドキドキしてちょっと恥ずかしかったけど、代わりに幸せ(という名のNEWSのお写真)を手にした。無敵!!!
これにて初ジャニショ体験記、おしまい、おしまい。
あ、そういえばお外にはLPSの看板がありました〜〜〜♡
追伸〜帰ってきてから〜
お写真を袋から出し、いざ、再会〜〜〜!
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
幸せのため息で部屋中がLPSです。ありがとうございました。
NEWSICALのその先に〜NEWSICAL備忘録③〜
引き続き、NEWSICALの備忘録です!
思ったより長くなってしまいました!
ここからは完全版の感想を箇条書きで〜〜〜!
1
幕が開いた瞬間、セットの色味がすきだな〜〜〜と思いました!上品な明るい赤を基調として、全体的にあたたかい雰囲気。3人の衣装は浮いてもなく、ボヤボヤもしてない、良いバランス!
2
えっ……
ウッ……
か、かわいい〜〜〜!!!
ほっぺをツンツンしてる3カット、あまりにもかわいいがすぎる!!!!!
3
(´-」-`)でもさぁ、高所恐怖症にはこの仕事つらいんだよ
の「つらいんだよ」の言い方がすき!(細かい)
4
「そうさ、俺たちゃサンタクロース」
(´・ш・)(主旋律)→リ `▽´ノリ(上ハモ)→(∵)(さらに上ハモ)
シゲが1番高いパートを歌っているのが良いな〜!前からではあるけど、最近より高音がきれいに出てるなぁと思います!
5
小山さん、足が長すぎて跳び箱を飛ばない事件。
(´・ш・)ピョン
リ `▽´ノリピョン
(∵)ピョン(ギリギリ)
(´-」-`)ヨイショッ
(あれ、ジャンプをしていない……?)
6
こ、ここの!!!増田さん……!!!
クルッと回って見せた笑顔がァァァァァァァ〜〜〜〜〜〜!最高のマススマイル〜〜〜〜〜〜 !
7
クリスマスイブが……
ハロウィンに!?
視覚的に示す、クリスマスイブとハロウィンの対比!シゲも言ってましたね、緑×赤と黒×オレンジがわかりやすいと!
8
小山さんの後ろから出てくるカボチャたちの中でも、最初に左から顔を出すマスパンプキンが最高にかわいい〜〜〜♡ あのなんとも言えない表情〜〜〜♡
9
深読みしすぎかもしれませんが、LPSの歌い始めが小山さんなのは、NEWSICALからのつながりを考慮してるのかな〜と!そもそも、このミュージカルと新曲が連動してるのが面白いよなぁ…… そのおかげでリリース前に地上波で聴けているわけですもんね。 1月のリリースまで余計にワクワクさせられてる〜〜〜!
10
すまし顔のシゲ〜〜〜!(と見切れ増田さん〜〜〜!)
あぁ、あぁ…(ことばを失う)
11
大サビ前にスタッフさんへの感謝を述べるところにジワッときたな〜〜〜。エンドロールじゃなくて、大サビ前。4人だけじゃなく、スタッフさんも含めてみんなで作ったNEWSICALだよ〜と言われてる気がしました!こういうことをするのがNEWSだな〜〜〜!!!
12
ソーーーキューーート!!!
小山サンタからのプレゼントが置かれて、これにてNEWSICALは終演です。
いや〜、とっても面白いプロジェクトでした!すきなアイドルがものづくりをする過程を見られる機会はなかなかないので、企画してくださったフジテレビさんありがとうございました。
ただ、NEWSは"選んでもらった"のではなく、"選びたくなるような"4人だったからこういう企画を組んでいただけたんだと思います。コレは4人のお仕事が来るといつも思う。いつだって与えられるのではなく、自分たちで掴み取っていくNEWSがすきだなぁ。これからも4人にしかできないことをたくさんできますように!
(´-」-`)NEWSとして自信を持たせてもらった
(´-」-`)この過程を感じるくらいのものを得てから本番にいかなきゃといけないということを学ばせてもらった
リ `▽´ノリ ひとつ自分たち的にステップを上がれた
リ `▽´ノリ またそういう機会をいただけるようにと思ってます
(´・ш・)めっちゃ楽しかったですよ
(´・ш・)声を使ってパフォーマンスできるのは最高の喜び
(´・ш・)自分たち自身もこんなNEWSの色があるんだなといろいろ勉強にもなりました
(∵)このプロジェクトはみんなで作った
(∵)もうすでに…ちょっと、来年もやりたいなって気持ちが出てる(笑)
4ヶ月間おつかれさまでした!
以上でNEWSICAL備忘録も完結です!
4人の手が重なる瞬間、幕が上がる〜NEWSICAL備忘録②〜
こんばんは!
前回の続きで、NEWSICALの備忘録です!
〜手越祐也〜
多重録音!バンドでは見たことがありますが、まさかすきなアイドルがそんなことをし出すなんてアンビリーバブル!
ん〜〜〜!たのしそう〜〜〜!やっぱり歌を歌ってるてごちゃんがすきですね!オシャレチャンカパーナが良すぎたので、どこかでアコースティックのライブをして欲しいなと思いました〜〜〜!ディナーショーと合わせてやりませんか!?手越さん!?!?
そして専門学校で練習ののちレコーディングですが、
練習〜レコーディングがスピーディすぎる!!!!!
普通にやったらもっと尺が長くとれるところなんだろうけど、飲み込みが早すぎて短くなってしまった説は濃厚です!歌に関しての感覚が天才的なんだなぁと思いました。もちろん元からあったわけではないとは思いますが!すごいなぁ〜〜〜!
(´-」-`)手越が得意なやつだ
(´-」-`)これからもNEWSの歌を支えてね
〜小山慶一郎〜
ミュージカルにおけるリズムの取り方や、発声の仕方を学びます。
以前ミュージカルで過呼吸になったことがあるという話、歌に対するコンプレックスや恐怖。わたしはこういう話を初めて聞いたのでなんだか驚きましたね〜。得意というわけではないと思っていたけど、苦手以上の意識があったのか〜。他の人が得意分野なのに対して、小山さんにとってはいつもとは少し違う、挑戦だったんじゃないでしょうか!結構不安もプレッシャーもあったんだろうな〜。
そして小山さんはこの放送に華を添えるナレーションという役割もありましたが、とっても良い…!映像だけでは伝わらないところを補足して誤解のないようにしてくれたり、メンバーに話しかけてるかのようにコメントしてくれたり、一緒に見てるかのような感覚にさせてくれました。こっちはいつものキャスター・リーダーという得意分野での参加になってますね〜〜〜!
〜合流、本番まで〜
11月下旬、FNS歌謡祭が近づいてきました。
まずは増田さんの作った衣装披露。
う〜ん、興味深い。まず既視感がない!いろいろな服を見ている増田さんだからこそ、こういうたくさんの要素を詰め込んだ衣装が作れるんだろうね。 "イメージを持つこと"と"形にすること"の間には大きな壁があって、実際かなり難しいことだと思うけど、短期間で形にしてきていて感動した。
昔から手芸がすきなので、こういうシーンはワクワクするな〜♡ こういう土台を1つ1つつみあげていって、ああいう衣装ができるのね、なるほど。
型紙を作ってる増田さん。
こうしてできた衣装、どうですか、メンバーのみなさん!
「(シ〜〜〜ン」(3人のリアクションが素直すぎて笑った)
リ `▽´ノリ 正解
いやいや、「参」のダブルミーニングに気づいたのなんで……? さてはおぬし増田貴久検定1級だな……?(このあとの「やべっ☆(当てちゃった☆)」がムッチャかわいい)
いやでも、このとき増田さん結構緊張してたんじゃないかな〜って思います。今回は"増田さんが思うサンタ"を1人で作り上げたわけで、NEWSとしてのツアーやテーマ、曲ありきの衣装制作とはまた違うと思うんですよね。うん。だから戸惑いながらもちゃんと「〇〇なの?そういうこと?」って聞いてくれて、増田さんを引き出してくれるごちゃんがうれしかった。
リ `▽´ノリ ガチ
こうして衣装も完成、セットも完成、振り付けを覚える段階までいくわけですが、
2日……!?
2日で覚えるんですか、アレを…!?
すごい。他がどうとか、基本的どれくらいとか知らないけど、すごいなぁ〜……。こんなにタイトなスケジュールで動いてることも、普通に放送されただけでは知ることができないので貴重ですね!
あ、レッスンに入る前に、てごちゃんの私服がすごく気になったわたしをお許しを。
ここからに関しては私情がすごく入ってしまうので、あまり気にしないでください。1つ言えるのは、増田さんと一緒にいるのがてごちゃんと小山さんとシゲでよかったなぁってこと。
(´-」-`)こういうときは直接声をかけるより、あまり気にしてないふりをしてわざと明るいムードにする、みたいな気持ちが働くもんです。僕も増田さんみたいになったときは、メンバーはこんな風にしてくれます。
(´・ш・)よーし、飲みに行こう!(笑)
(´・ш・)増田さん諦めた?(笑)
(´・ш・)(体調が)ノッてる日じゃないとキツいね
増田さんのことも、これを放送しようとした側も悪い風には全く思ってません。ただ、増田さんが守りたいものが守られる世界であってほしいと思ってます。なんでココで泣けたんだろう、ふと考えてみると"増田さんが魅せてくれる増田さん"がすきだからなのかなと。だから見せたくなければ見せなくてもいいんだよ。見せてくれたら、それもそれで嫌いになることはないよ。だから増田さんが魅せたいように見せてね。
ここまでは大きなひとりごとです!!!(気持ちを整理するのに文章という手段を使う人なので、書き残すことにしました)
さてさて、本題に戻ります!
こうしてやってきたFNS歌謡祭当日!
4人で手を合わせて、いよいよNEWSICAL開演です!!!
次で最後!
(のハズ!!!)
NEWSがゼロからミュージカルを作る〜NEWSICAL備忘録①〜
こんばんは、こんばんは!
音楽番組や特番が増えてきて、まさに今年も終わりというような雰囲気ですね。ウハウハしてます。無礼講感がすきです、年末。
さて、12/25、ついにこの日がやってきました。
クリスマ………………
NEWSICAL〜〜〜!!!!!
フ〜〜〜!!!!!サンタさんも顔負けのプレゼント力(?)を持つアイドルこと、NEWS。"4人個々の力を合わせてミュージカルを作り、披露してくれる、おまけに過程まで見せてくれる"という最高のプレゼントを届けてくれました…… wow……
今回はその備忘録です!いろいろ思ったことを忘れたくないな〜ということで!
8月7日、呼び出された4人に告げられたのは、4人でミュージカルを作り上げるというプロジェクト。
(´-」-`)(∵) はぇぇ〜〜〜(笑)
(´・ш・)リ `▽´ノリ (無言)
地味にリアクションの違いがおもしろかった!(笑)未知のものに対して素直に反応するコヤシゲ、「なんなんだ?」と眉間にシワ寄せて考えるテゴマス。それぞれの見事なシンクロ、お互いの感覚の近さをこういうところで感じます!!!
続いてそれぞれに役割が与えられます。
(´・ш・)まぁ、だろうな、ハッハッハ
(´-」-`)まぁだろうね
(´・ш・)余裕だろ
こ!の!戸惑いながらもうれしそうな増田さんの顔〜♡
(∵)ハッハッハッハッハ(爆笑)
(´-」-`)勘弁してください
リ `▽´ノリ 大オチじゃんコレ、やべぇ(笑)(←急におっきい声出し出す)
(∵)俄然やる気でてきた!(笑)(←1番たのしそう)
こうして4ヶ月に渡るミュージカル制作がスタートしたようです。
〜加藤シゲアキ〜
まずは脚本を練り練り。シゲが考えてきたプランA、BのうちBを選び、どんなミュージカルにするのかを組み立て始めます。
ちなみにプランAは、
(∵)小山がさみしげというか、振られたようなニュアンス
らしく、シゲが小山さんの魅せ方をわかりすぎててさすがだと思ったよ……。こっちはシゲが"小山さん主役"ということでやらせたかったミュージカルなんだろうなぁ〜と考えてニヤニヤしてしまった、申し訳ない、許してくれ。
結果的に"4人のチーム感"がより出る方をとってBになったのかな?
打ち合わせの風景も映されます。
「クリスマスよりハロウィンの方が盛り上がってない!?(笑)」
(´-」-`)シゲたのしくなってる顔してるわ
このへんの発想はホントね〜、面白いです。そういう世相をミュージカルに取り入れてくる。この人はゼロからイチをつくる人だね。
(´-」-`)シゲの想像力、すごいですね〜
ん、これよく見るといろいろおもしろそうなことが書いてありますね!? BYAKUYA、カポエラダンス、ふむふむ……。
生きていると喜び悲しみ色んなものが降り注ぐ
明日への希望、それこそが今日の喜び
Xmasはそんな日だ
このテーマ、とってもクリスマス×NEWSだな〜って思います。
顔が良いな……。小山さんが言う「オフのシゲが1番カッコいい」という意味がわかったぞ……。
すごいな〜! こんなに細かくセットまで作りこまれてたんだね〜!
そしてメンバーに概要を発表!!!!!
てか、増田さん、でかいな(そこじゃない)
(´-」-`)考えるの上手いんだけど、喋るの下手くそなんだよな〜
"頭の良い人やクリエイティブな人は頭の中に自分の言語があって、それを一般的な言語に直して発言するから時間がかかる"みたいなことを聞いたことがあります。シゲもそういうタイプなんじゃないかな〜!
〜増田貴久〜
※増田さん4人くらいいた?ってくらい、髪型髪色が変わってるけど、いつでも1番カッコいいからしんどい☆☆☆
ただ1番しんどいのは黒髪だよ…… 黒髪の増田さんが学校に通う世界をありがとう……
増田さんは衣装のデザインのためにデザイン画の描き方を教わります。
ウッ…………
ウッ…………
真剣に聞いてる眼差しが〜〜〜〜〜!!!
すきだ〜〜〜〜〜!!!
すきなことに対しての集中力がすこい。「吸収しよう」っていう意欲が伝わってくる。
こちらが増田さんが初めて描いたデザイン画です!イメージを形にするのって難しいと思うんですが、今までの経験もあるからか、すでに結構固まってる様子。そしてこの右側の字ですね……。いつものまんまるの字はまっすーの字だけど、この字は増田さん。こういうギャップにドキッとさせられます。
続く!
運命の女神は誰に従ったのか〜「チュベローズで待ってる AGE22・32」読了〜
※本記事はネタバレを存分に含みます。まだお読みでない方はお気をつけください。
「人も、人生も、もっと複雑なんだよ、金平」
「その複雑さというのは」
「この煙を成分ごとに分けるようなもんだ。そんなことできるかい?そもそもあっという間に広がっていってしまうのに」
出先じゃなかったら、家で読んでいたら大泣きしてしまっていたかもしれない。外だから我慢できたけど。哀しさなのか、感動なのか、救われたからなのか、救われてないからなのか、なんの涙からわからない。なんなのか追求することは、タバコの煙を成分ごとに分けるようなもんだろう。
読み終えてから数分間ボーッとしてしまった。目の前に起きた出来事があまりに壮大で、受け入れられなかった。
そして光也や雫、八千草弟、八千草兄、美津子、登場人物を通して著者である加藤さんを思った。この物語を書いたのは、わたしがすきなアイドルなのだ。ついこの間放送されたプレミアムショーで歌い、踊っていた加藤さんなのだ。
これって、今は当たり前のようになっているけどすごいことなんじゃ……!?改めてその事実に震えたし、忙しい日々の中でこれだけの大作を書き上げた加藤さんって一体……!?
上巻だけを読んだら、救われたようで救われなかったんだけど、下巻のラストのラストまで読んだら少しは救われた気がしました。加藤さんはそういうラストを選ぶ人なんだろうねぇ。すべて救われるわけではないけど、心が救われるようなラスト。
わたしはこねくり回した物語の最後が全員幸せだなんて、そんな綺麗事はないと思ってるんですよ。だから加藤さんの作品がすきなのかもしれない。
奥に潜むテーマについて
「チュベローズで待ってる」、う〜ん、これは"自分"と対峙する物語なのかなぁ……。このへんは1回読んだだけじゃわからない部分が多くて。
帯に書いてある「ゲームの中心は僕じゃなかった」という事実、この衝撃ってすごいんですよ。上巻からこれまでのストーリーがまさか"背景"だったなんて…!例えば、今生きてる人生が誰かに操作されている人生だと思ったら、ゾッとしません?自分が選択してきたと大学や就職先、恋人が、実は奥の奥に潜んだ人にコントロールされていたら?……ヒーーー!!!そんなこわいことはないよね……。
ただあれなんです、光太がずっと選択させられていたというわけではないと思うんです。
運命の女神は冷静に事を運ぶ人よりも果敢な人によく従うようである。
という『君主論』の引用がありましたけど、これは結構後からじわじわ効いてくることばですよね。光太が進めてきたゲーム開発は確かに美津子の意思だったかもしれない。八千草への復讐もユースケの意思だったかもしれない。ただ、彼にも彼なりの意思はあったはずなんです。だから運命に翻弄され続けてたわけじゃないと信じたい。最後に美津子に会えたのは、光太の意思に運命の女神が従った結果なんじゃないかと思いたい。
結論、この物語は「与えられた環境から飛び出すには自分の意思で動かなくてはいけないし、そうしないと運命の女神は味方してくれねぇぞ!いつまでも主人公にはなれねぇぞ!」というのがメッセージの1つになっているのかなぁと勝手に解釈しています。これはホントにわたし個人の受け取り方だから、多分人によって違うんだろうなぁ〜!
※余談ですが、『君主論』が後半で生きてきたなぁ〜と思うのは、
ある君主の頭脳がどの程度のものかを推測する場合、まずは彼の近辺にいる人間を見るのがよい
ココです!!!上巻の最後、最終面接のときに光太が引用していた部分。下巻になるとグッと意味を持ちます。八千草弟の近辺には八千草兄がいたっていうあたりにかかってきてるのかなと。伏線回収が素晴らしい……!
ちなみに上巻もサラッと読めましたけど、ページ数が増えた下巻のスピード感はそれ以上でした。
だって!!!
先が気になってしょ〜〜〜がない!!!
ブルーレインで「助けて兄ちゃん」と八千草弟が言うまで、イヤホンから八千草兄の声が聞こえるまで、この話の転→結がどうなるのか全く想像がつきませんでしたね〜。
しかし、そこから先の展開も予想外に次ぐ予想外、いや〜、驚かされました、ありゃ〜!!!やられたわ〜〜〜!!!
上下巻の使い方の巧さ
そうそう、あとは上下巻になったことで物語の奥行きがより広がって、「チュベローズで待ってる」を厚みのある作品にしていたなぁと感じました。AGE22だけで完結してもいいような、AGE32だけでも成り立ちそうな気もしなくないんです。
就職活動に失敗した光太がホストでの経験を経て、最後には就職という成功を掴む物語。
一発逆転で大手企業への就職を成功させた光太が、昔の恋人が自殺した真相に迫る物語。
それが2冊になっていると。"その前"と"その先"でそれぞれドラマがあり、絡み合うことで、光太の人生が立体的に見えるんだな〜〜〜と思いました!この構図にも驚かされましたね。だからエンタメ要素の強い今作でも、薄っぺらくないのではないかと…!
小難しく書いてしまいましたが、とにかくとっても面白い新作でした!!!
最新作が1番面白い、そういう作家はこれからもずっと追いかけていきたいと思わせる。今が1番カッコいいアイドルと一緒です!
加藤さん、形にしてくれてありがとう〜〜〜!次の作品もたのしみにしています〜〜〜!
追伸:
ちなみに最後の電話、最初は芽々からだと思ってたけど、亜夢かな〜とも思うし、ここで電話がかかってくる意味はなんなのだろうか。気になる。深い意味がないようにもとれる。