宝箱

すきの定義は「心を動かされる」こと

ジャニオタがお題箱でオススメの本を募ってみた(2)

こんにちは。

芸術の秋、いかがお過ごしでしょうか、ろくです。

 

さてさて間が空いてしまいましたが、第二弾!あれやこれやオススメしていただいた本を図書館で探すものの、人気作は予約の順番が回ってくるまで時間がかかります。気長に読んでいこう。

 

項番は前回からの続き。

 

3.「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」(若林正恭)

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
 

 累計20万部に迫る前作『社会人大学人見知り学部 卒業見込』。
そこで吐き出された社会への違和感、悩みは普遍的なものだと思っていたけれど、
「あれ? これって人が作ったシステム上の悩みに過ぎなかったのか?」
と気づいてしまった著者。
「俺が競争したい訳じゃなかった! 競争しなきゃ生きていけないシステムだった!」
新しい発見に意識がいったところで、
「別のシステムで生きる人々を見てみたい」
と、猛然とキューバへ旅立った。

 (リンク先より引用)

 

本書だけでなく、「社会人大学人見知り学部卒業見込」も別の方からオススメしていただいていました!そっちは実は発売当初に読んでいたり。普段はエッセイはそれほど読まない。家にあるエッセイはすきな作家である有川(浩)さんの、すきなアーティストである(星野)源さんの、そして若林正恭の、である。

カッコいいことが書いてないエッセイがすきだ。源さんも若林さんも似ているところがあると思っていて、カッコ悪い自分・抜け出したい現実をありのまま語ってくれる。圧倒的な脱出策を教えてくれるわけではない。ただなんとなく心が軽くなったり、新しい考え方に気が付けるからすきだ。

 

さて今回は彼が思い立ってキューバにひとり旅をし、お父さんの死と向き合ったりしながら、なにかを取り戻すエッセイ。なにかというのは、う~ん、”東京(今いる場所)で失ったと思っていたはずのもの”という表現になるんだろうか。これはきっと読み手によってもちょっとずつ違う気がする。若林さんは”色”と形容していた。

そもそも彼がキューバに行こうと思った理由とはなんだったかというと、「日本のシステムとは違うシステムの中で生きてる人はどんな顔をしているか」を見に行くためだった。日本のシステムっていうのは”勝っても負けても居心地が悪い”、言いたいことは何となく理解できる。

わたしは先週新潟にひとり旅をしてきた(目的はぼくりりのライブだったわけだけど)。今本書を読んでみると、そこで感じたことと似ているなぁって思う。「日本のこういうところが嫌になる」なんて思うことも少なくないけど、旅先で「今度は冬にきてね」って言ってくれるおばさんとか、古い町並みにポッと現れた小さなコーヒーショップのお兄さんとか、本物の花と切手を使ったアクセサリを作ってるショップのお姉さんとか、そういう些細な血の通った出会いになんとなく救われる。そしてそんな旅の話を話したいと思う人がいるっていうのは、自分にとってかけがえのないことなんだな~と思わされた時間でした。あと、

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のどぐろ炙り丼がおいしかった〜!!!

 

おっと、最後は自分の話になってしまったけど、悲しいことを悲しめなくて苦しんでいる人、何となく今にモヤモヤしている人、息抜きに本書をオススメします。

 

 

★番外編「火星に住むつもりかい?」(伊坂幸太郎)

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

 

「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。その管理下、住人の監視と密告によって「危険人物」と認められた者は、衆人環視の中で刑に処されてしまう。不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは、全身黒ずくめの「正義の味方」、ただ一人。ディストピアに迸るユーモアとアイロニー。伊坂ワールドの醍醐味が余すところなく詰め込まれたジャンルの枠を超越する傑作!  

(リンク先より引用)

 

先述した新潟旅の道中で読んだ。ページ数もちょっと多いので一気に読めるタイミングをねらっていました。

 

「あの人は悪の組織とつながっている」そんな密告から、悪だと思われる人は死刑にされてしまう。伊坂作品の中では人を選ぶ題材だと思いますが、この作品を通して伝わってくるものは今、たくさんの人に伝わってほしいと思うことだったりする。ある人から見た正義は、ある人からみたら悪。絶対的な善というのは存在しないわけですね。

「世の中は良くなったりしないんだから。それが嫌なら、火星にでも行って、住むしかない」