宝箱

すきの定義は「心を動かされる」こと

雨降る月夜に妖狐が踊る「I・ZA・NA・I・ZU・KI」

WORLDISTAで披露された「I・ZA・NA・I・ZU・KI」はこの曲の新解釈だった。

 

QUARTETTOの「I・ZA・NA・I・ZU・KI」

f:id:n_e_w_s:20190527115023j:image
4人になって初めて披露されたのが美しい恋にするよ、2回目に披露されたのがQUARTETTOだった。(ブログの下書きにはちゃんとQUARTETTOって書いてあった)(笑)DVDでしか見てないけれど、QUARTETTOでは「I・ZA・NA・I・ZU・KI」という曲の概念が視覚化され、曲と同じくらい衣装の美しさが記憶に残っている。月から見えたり、隠れたりする様、「暗闇の中白く溶ける」様をあんな風に表現することができるなんて、誰が思いつく? 幻想的なあのときの演出が最高にすきだった!

 

WORLDISTAの「I・ZA・NA・I・ZU・KI」
そして迎えたWORLDISTA。個人的初日は北海道2日目でした。例のごとくセトリは見ていなかったので、その瞬間はあまりにも不意に訪れ、暗闇の中で頭を殴られたような感覚だった。まさか今回のツアーで聴けるとは思いもしなかった「I・ZA・NA・I・ZU・KI」のイントロが流れ始めた。

ダムは決壊する。この曲、本当にすきなんですよ。

 

f:id:n_e_w_s:20190527130116j:image
舞台は雨降る月夜。増田さんがワンフレーズ歌って水をはねさせる(このときの水と尻尾の軌跡がまた…… 美しいんだ……)と、それが起爆剤になったかのようにメンステと花道のつなぎ目に雨が降り注ぎ、水の壁が現れる。(この流れ落ち始めるタイミングが最高なんだわ、また!)  水はそこから花道を流れセンステへと流れ込む。「水が流れている?」始めは目を疑った。水の流れをプロジェクションマッピングみたいに映してるのかと思ったけどそうじゃない。光の反射、跳ねるしぶき、あれは本物の水だ。水の上に4人は現れた。狐のような尻尾を携えたあの衣装を纏って。前回と全く違う演出。4人になる前の曲だけど、こんなに伸び代があったとは……、脱帽。今回は「I・ZA・NA・I・ZU・KI」という曲から連想される物語がそのまま演出によって表現されたように思う。


そもそも「I・ZA・NA・I・ZU・KI」、英詞が混ざるものの、わたしは圧倒的"和"のイメージを持っていた。「誘い」っていう日本語、きれいだよなぁ。イザナイからイザナミノミコトが浮かんだり、メロディも日本的、「真夏の静寂 刹那に 夜に響く」から始まる日本語が美しい曲であることが和を感じる理由なのかなと思ってる。「今宵」なんかもね。英語だとTonightとしか表現できないと思うんだけど、"今宵"から漂う美しさとか儚さは伝わってこなくて。(単純に「今日飲みに行こうよ!」と同じTonight)「夜」「晩」ではなく「宵」じゃないとっていうのはなんとなく日本語でしか表現できないニュアンスな気がする。同じ景色に対して表現の方法がたくさんあるっていうのは日本語のすてきなところ。古典を読むとそういう些細な温度や色の違いがことばにされていて、それと同じような感覚で「I・ZA・NA・I・ZU・KI」を聴いてる。

(※ツリーの中の「WHITE」は間違いで、正しくは「QUARTETTO」)

この曲は、出会ったことすら許されないような2人の悲恋の曲だと思ってる。わかりやすく言えば身分違いだとか、敵対する家同士だとか。(古典っぽいね!) あとは今回の衣装からインスピレーションを得て、人間と人間に化けていた狐だとか、そんな可能性もある。フルーツバスケットとか犬夜叉の世界ですね(伝わる人は同世代) まぁそれ以外にもいろいろな理由があっていっしょにいられないってことはあるよね。

ステージ上をチラチラと照らす月光のような照明。雨が降る中「Get Away」、逃げて、逃げて、逃げる。光る月に願いを託して。「幾千年」も月や自然は同じようにそこにあって。月の光が照らす夜だけ許されたような恋が何度も何度も散っていく様を、月だけは知ってるんだよね。願いを託される月はもちろん何もできないから、託された思いをそっとしまっておく。そういうのを何回も何回も繰り返してるんだと思うよ。

そんなような、なんとなく自分が思い描いていた情景がの前に現れて、曲が聴けた喜びと興奮となにやらで、もう息をするのも忘れるくらい感動した。

 

わたしの中でこの曲は新しい息をし始めて、またひとつすきになってしまったわけでした。

 

 

DIAMONDの「I・ZA・NA・I・ZU・KI」

これはおまけなんだけど、気になっていろいろ見てたら気がついたこと。衣装が赤いのとモニターに月が現れるのはDIAMONDと同じなんだよなぁ。偶然?

f:id:n_e_w_s:20190527204840p:plain

f:id:n_e_w_s:20190527204922p:plain

f:id:n_e_w_s:20190527204942p:plain