宝箱

すきの定義は「心を動かされる」こと

夏の自由研究「丈橋という甘くて冷たい海ついて」

シンメがすきだ。
とりわけわたしの心が燃えるのは、"背中を任せられる唯一無二の存在同士"の2人である。

 
「大橋くんと丈くんはシンメなのよ」
「シンメって何?」
これが非ジャニオタの友人にうっかり丈橋の話をしかけたときの会話。そう、シンメとは公用語ではなかったのだ。畑違いのわたしがジャニオタになり早3年、外界とのカルチャーの違いはこういうタイミングでしかなかなか気づけなくなった。シンメとは?いろいろな解釈があるのかもしれないけれど、「デビュー前から長期間対のポジションで活動をしてきた2人」とでも定義しておこう。"対のポジション"というのはステージ上の位置のことでもあり、仕事的な側面を指しているようにも感じる。個人的解釈を入れるなら「デビュー前から長期間対のポジションで"切磋琢磨しながら"活動をしてきた2人」

活動を重ねることでもともと足元に種として埋まっていた2人をつなぐ「なにか」が芽吹き、花を咲かせるように感じる。その花のもとで2人は輝く。有名なシンメとして、ふじきた、ふまけんがいる。ふじきたでいえば「ステージ」、ふまけんでいえば「希望」。ここで言う定義外ではあるけれど、シンメ的な2人であるてごますは「歌」。わたしはそんな風に思っている。

丈橋の花はなんだろう。わたしは「覚悟」だと思う。 

 

 

1.丈橋基本ステータス

■…事実/・…一部主観を含む

……藤原丈一郎(1996年2月8日生まれ/2004年2月21日入所・ジャニーズ歴15年・B型)

■なにわ男子の最年長

■メンバーカラーは青(グループ結成前は赤)

■姉がいる末っ子

■現在のジュニアの中で最もジャニーズ歴が長い

トークやお笑いが得意で、なにわ感担当と自称している(大橋くんの隣ではツッコミだが、ボケたがりでもあり、ツッコミがそばにいると全力でボケにいく)

・基本的にはしっかりしているように見えるが、たいてい大橋くんに振り回されている

オリックスファンであり、高校野球への熱はおそらくジャニーズ1(その熱狂ぶりは、舞台の期間中、昼公演がある日に第一試合を見に行っていたほどである)(また、応援していた大阪代表の履正社が優勝した次の日の公演の日替わりでキメ台詞を言う場面で「履正社ー!」と叫んでいたというレポがあった)

・関ジュの幼馴染リア恋枠

・バーチャルジャニーズ「海堂飛鳥」の声を担当。トンチキ英語クイズ(あすかぴに聞こえないように小声)や姫(ファン)へのツッコミ1000本ノックが天才的。中の人とは違い、甘いことばをサラッという。

 

……大橋和也(1997年8月9日/2009年4月3日入所・ジャニーズ歴10年・B型)

■なにわ男子のリーダー

■メンバーカラーは緑(グループ結成前はピンク)

■兄と弟がいる次男

■目標は「スーパーアイドルになること」

■リーダーではあるものの、高橋恭平くん・長尾謙杜くんとともにおバカ3人組に名を連ねる

・話が思わぬ方向に飛んでいきがちで、丈くんの華麗なるツッコミに救済されている(丈くんがオチに使うケースが多々散見される)

・ギャグにおいては打率が高いタイプではなく、何打席かに1回ホームランを打つタイプ

・運動神経抜群(かわいい顔して握力はジャニーズの中でも群を抜いて強い)、手先も器用

ジャニーズ事務所に入る前からダンスを習っており、ダイナミックかつしなやかなダンスが魅力

・大倉くんに「武器になる」と言われた歌声を持つ

・バーチャルジャニーズ「苺谷星空」の声を担当。自由奔放で、よく鼻をかいたり、しゃっくりが出たりする。動きが騒がしい。突然歌を歌ったと思ったらめちゃくちゃ上手い。

 

2.丈橋の変遷

リューン初演の1年前(2017年)

家にあるドル雑誌を探してみましたが、そもそも毎回いるとは限らない。まずそれにびっくりしてる。「関西ジャニーズjr.」はだいたい「室龍太くん・向井康二くん・西畑大吾くん・大西流星くん」。トリオはこの頃からトリオでプッシュされていて、出演率も高い。丈橋がいたとしても丈橋というくくりはページの中で分割される都合上だけで、今ananで特集されているのが嘘のよう。「丈橋」でブログを検索したら2018年(特にリューン初演時期)以降を綴った記事が多いのは、それ以前は今ほどその関係が前に出てきていなかったのいうことなのだろうか。

シンメとして年も一緒にいる2人だけど、最初から今のような2人だったのかと言われると、たぶんそうじゃなかったと思う。"思う"というのは、わたしが後追いでしか彼らを知らないからである。関西にグループができる予兆もなかった頃や丈橋が赤とピンクだった頃、2人がどんな空気感だったかというのはリアルタイムで追っていた人にしかわからない。だからわたしはわたしで今残されている情報から2人を読み解くしかない。

リューン初演付近(2018年上期)

去年の12月25日、「リューンの歌稽古」やったので、やむなくクリスマスに大橋と男2人でご飯に行きました!

(『産経新聞』2018/1/27)

(笑顔の自撮りツーショットを見ながら)やむなしか。ふーん…。

藤原「いやでも俺去年のクリスマスは松竹座公演終わってからその後僕と大橋が東京で仕事やったんですよ、そのまま。で、東京に行って、でもこうなんかさみしいから、ご飯食べるときもクリスマス、カップルだらけ、東京で別に知ってるお店もないし、大橋と2人で入ろうか言うて。(雰囲気100:技術2のサックス吹きの話おもしろいけど中略)いや~でも最高のクリスマスやったし

大橋「最高やったな」

正門「はは、いいじゃない、思い出にね」

大橋「ケーキも食べてね、2人で一緒に」

藤原「ケーキも食べました」

正門「あっ、2人で食べたん?」

大橋「2人で食べた」

藤原「食べました」

正門・高橋(恭)「えー」

(「関西ジャニーズJr.のバリバリサウンド」2018/12/25)

いや、最高って言うてもうてるけど!!!!!やむなしは!?どうした!?

2人でケーキ食べた話、正門くんも恭平ちゃんも驚いてない?そして2017、2018ときて2019も丈橋はいっしょに過ごすわけですね(今年のクリスマスは初の単独ツアー「なにわ男子 First Live Tour 2019〜なにわと一緒に#アオハルしよ?〜」大阪公演です)

藤原は「2人で踊りをやってたんで、殺陣のシーンは息もピッタリ」、大橋は「目線でね、わかるんですよ」と頷き合っていた。

(「マイナビニュース」2018/02/07 17:13)

W主演に抜擢された「リューン~風の魔法と滅びの剣~」。初演の囲み取材での発言。この時点で2人がステージ上で過ごしてきた時間の長さを知る。

また、藤原は「普段、関西(ジャニーズ)Jr.で会見するときは大体3列目でいつも他の人の後頭部を見てる」と苦笑。「今、1列目ですからね! "3列目の逆襲"という感じで、後頭部がないのが嬉しいです」と喜びを表す。翌8日に迎える誕生日も「『リューン』のことを考えすぎて」忘れていたというが、大橋から「いつも2月はコンサートがないけど、今回は『リューン』があるからめっちゃ嬉しい言うてましたよ」と暴露され、「お前、こんな時だけ!!」とつっこんでいた。

(「マイナビニュース」2018/02/07 17:13)

よく聞いた「3列目の逆襲」。このフレーズだけで、丈くんがどんな思いでほかの人の後頭部を見ていたのかが痛いほど伝わる。このときはまだその年の10月になにわ男子が結成されて、1列目が約束されることを知らない。そしてこんなときでも丈橋漫才は健在。

橋「大勢の関西ジャニーズJr.の中でも、二人っきり。今まではジャニーズの中にいたけど、これはもう覚悟決めて俺ら二人で先陣きってやらなあかん、って思ったよね。」

丈「(中略)お客さんちゃんとはいるんかなとか、とにかく不安やったけど、「こいつと二人でやっていくぞ」って強い気持ちを持つようになったな。」

(『an・an』 No.2165)

2人が2人の関係のターニングポイントとして口にしているのがこの舞台。最近のインタビューで当時のことをこう話しています。

なにわ男子結成付近(2018年下期)

テーマ「好きなところを10個ずつ言いあう」

「次ラスト!…丈くんの足の甲がね、いい!」

「なんで最後それやねん!」

「だって好きやから。丈くんは?ラスト大事やで」

「(ドヤ顔で)…好きに、理由なんかないかなって」

「きっしょ!!ほんま気色悪い(笑)!」

だって好きに理由なんかある?ただ好きやねん。それだけ

(『WiNK UP』2018年12月号)

!?!?!? どうした。丈さんや。熱でもある?

丈くんって、こういうことサラッと言うようなところがある。それに対するこの大橋くんの反応に丈橋の良さがある。(不憫な丈くんがすきですみません)ちなみに残りの好きなところ9個は以下の通り。

大橋くん→丈くん

耳たぶ、ハト胸、お笑い上手、しゃべりがうまい、絶妙なファッションセンス(藤原「おまえ、それはディスってる(笑)!」)、髪の毛サラサラ(わかる~)、筋肉質、顔が小さい、世話上手でお世話してくれる

丈くん→大橋くん

ほっぺた(藤原「むにゅむにゅしたくなる」)(…?)、笑顔(藤原「癒される」)(ふーん…)、イラつかせ上手、歌うまい、流行りをすぐに取りいれたがるところ、身体が柔らかい、意外となんでもできる、美意識高い、反応がいいからイタズラしがいがある

もうなんかニコニコしちゃう(はぁ)

丈くんはすごく頭が良くて、いろんなことを考えて行動する仕事人的な人ですね。元気がないときはそっとしてあげたほうがいいと思います。自分でちゃんと整理できる人やから。でもあまりにも泣きそうな顔で落ち込んでいたら僕はそっと寄り添います。

(『TVガイド』2018年10月19日号)

え、わたしが泣きそう(なんで)

大橋くんの包容力ってなんか、大地を包み込むくらい壮大じゃない?そしてほんとに人のことをよく見てる。

バーチャルジャニーズ始動~リューン再演付近~最近(2018年上期)

大橋については「太陽みたいな、周りもつい笑顔になるポジティブさがある。それをキャラに投影させたら世界中を照らしてくれるんじゃないかと思いました」、藤原については「ひと言で言うと“まっすぐ”。不器用と思えるくらいにお客さんに対して真面目にまっすぐ向き合ってる。インターネットは嘘があるとお客さんにすぐ伝わってしまうでの、そのまっすぐなところをインターネットを通して伝えていけたら」と、それぞれの起用の理由を話した。

(ジャニーズ初のバーチャルアイドルが誕生!演者は関西ジャニーズJr.の2人が担当 - 音楽ナタリー https://amp.natalie.mu/music/news/320506

これは2人がバーチャルジャニーズとして活動を始めることが発表された記者会見での前田社長の発言。インターネット越しに伝わってくるのは、まさに2人のいいところ。起用された理由がよくわかる。

ジャニーズJr.が2人暮らししたら?

藤原「大橋は最悪な嫁(笑)(中略)多くは望まんから子育てだけやって(笑)」

大橋「意外とMな丈くんとの関係は、僕が権力にぎってる生活。(中略)でも僕の方が強いよ

(『ザテレビジョンZOOM!!』vol.36)

この企画各々の回答がおもろいんだけど、もうとにかくツッコむところしかない。大橋くんにだけ「嫁」。子育ては任せられると思ってる。丈橋にだけ子供がいる。これだけ言って「意外とMな」とアッサリ形勢逆転する丈橋劇場。こう見えて大橋くんが主導権握ってるのほんっっっとすき。

大橋「なんかずっと一緒にいるよね(笑)。」

藤原「仕方なくやからな。これは何百回と言ってるけど、マジでプライベートではほんまに遊ばない関係やから。」

大橋「ところが最近は家族と一緒にいるより長い時間丈くんとおる(笑)。」

(中略)

藤原「確かにずっと一緒にはいる(笑)。でも関係性もなにも変わらん。ただダルい時間が増えただけや!グループメンバーとして絆は深まったし、愛は強くなってるけど。距離感も変わらん。お前が近寄ってくるだけ!」

大橋「ほんまは丈くんが近寄ってきてるのに(笑)。」

 (『STAGE navi』2019 vol.32)

「愛は強くなってるけど」リピートアフターミー「愛は強くなってるけど」(フ〜〜〜!)プライベートでは遊ばない関係と言いつつ、プライベートで遊んだエピソード教えてくれるのはいつも丈くんですよ(暖かい目)

大橋「ずっと一緒にやってきた丈くん。今、同じグループになって一緒に頑張らななってめっちゃ強い気持ちがある。頼ってほしいところもあるし、俺に頼ってほしいところもある。ライバルって関係も、昔から変わってないですね。」

(『an・an』 No.2165)

「頼ってほしい」ということばが大橋くんの、そして丈橋の変化なんだろうなと思いました。

藤原「二人の関係は、まぁ年々悪化してますよね。(中略)あいつが近づく分、俺は後ろに引いてます!むちゃくちゃ走って避けてるんですよ、すごい勢いで。だからいい距離が保ててる。俺が止まったらたぶん崩壊します(笑)。」

(『an・an』 No.2165)

丈橋をすごく客観視できてるようで、たまに止まっちゃってるようにも見えるのはたぶん無意識だろうなと(愛しい案件)いい距離が保ててるっていうことは、たぶん大橋くんの方を見ながら走ってるってことなんじゃないかなとも思う。一人で走っていくことはしない。

〔裏の顔を教えてください〕

藤原「練習中にピリッとしなきゃあかんって時、必ず大橋と目が合うんです。「よっしゃやろか」って俺が先陣切ると、大橋が「やろやろ」とすぐ来てくれる。だから僕ら2人で大縄の両端を持っている感覚があります。」

(『an・an』 No.2161)

丈くんのこの話、シビれたーーー。2人が共有してきた時間の尊さ。ちなみに大橋くんは「丈くんは意外と漢字が読めないんです。(中略)それで後から調べてる、そういうとこがかわいいですね♡」とのこと。丈くんのペロいところ、大橋くんにバラされがち。

ーそんな今だからこそ、二人でできることはありますか?

大橋「仕事が長引いて、俺らもスタッフさんにも疲れが見えて「やばいなこの空気」って感じるとき」藤原「パッて見たら、目が合って」大橋「そうやね。二人で盛り上げ特攻隊長みたいに、場の空気を立て直したりする。そういうとき、ほんまにちゃんと目が合うからな。空気のわかり方が同じなんやね。」藤原「これはもう、ずっと同じ景色を見て仕事をしてきたからこそわかる感覚よな。(中略)まぁでも、二人で仕事するときはお互いにめっちゃライバル意識がある。(中略)そういうとこに、いい相乗効果がある二人なんです!」

(『an・an』 No.2165)

いい関係すぎてもうなにも言えない…… ウッ……。

3.どこまでも"対"である美しさ

立ち位置だけでなく、2人を見ていると対局にいるなぁとよく思う。

ロマンチストとリアリスト

「自分にとって相手はどんな存在なのか?」という問いにドキッとした。

大橋「ボクにとって藤原丈一郎は 「隣におる人」です!」

(『WiNK UP』2018年11月号 )

藤原「同じ景色を見てきてまた同じ景色を見ていく人

(『月刊ザテレビジョン』2019年1月号)

天を仰いだ(あまりの尊さに)
それまで、丈くんのことばに引っ掛かったことはあまりなかった。ここで初めて気がづいたこと、この人はロマンチストなのかもしれない。ただし、根っからふわふわしているという意味ではない。考え方は地に足がついていて、現実的である一方期待感は常に持ってる人なのかなと思うし、ことばは抽象的で聞き手が想像する余白を残しているから不思議。たぶん本人は意図してない。なんとなくだけど、きっとこの人は性善説の人だと思う。
それに対しての大橋くん。「隣におる人」。パートナーやシンメということばをよく使うのは丈くん。大橋くんは広義なことばをあまり使わない。具体性が高く、リアリストだと思った。in大阪の「あなたにお手紙書きましょう」のときもそう。

「 ずっとずっとありがとうとごめんなさいを言える関係でいてください

"感謝の気持ちを持って"だとか"悪いと思ったことは謝れる" のような大儀なことばではなく、"ありがとう"と"ごめんなさい"。物事を広く捉えているのに、 ことばは狭くてピンポイントに伝えてくるのには理由があるのかな。語彙が追い付いていないだけなのか、あえてそうしているのか、まだそこはよくわからない。

スイートとビター

声色も声質も違うのに、 ユニゾンで溶け合い1つになる様は想像の限界を超える。歌というのは受け取る側の感覚的なところが大きいので、 かなり概念的な話になります。

丈くんはよく通るトークでのガヤガヤ声と落ち着いたトーンのイケボ話し声のギャップだけでもきゅんとするのに、 歌うと甘い声になる3段階ギャップボイスの持ち主。歌声はスイート。大橋くんとは違って、温度も糖度も高い。輪郭がハッキリしてて、急所に刺さる。音域的にも声質的にも、丈くんには北山くんのソロ曲をもっと歌ってほしい(願望)

大橋くんは地声のハスキーさが影響し、歌声はビター。彼の歌の温度は低い。声の高い低いではなく、温度の話。どこか刺さったと思ったらいつの間にか包まれて、 気づいたら冷たい海の底に沈められてる。ちょっとこわいときもある。(増田さんの声がすきな私ですが、タイプは全く違う。増田さんの声はひだまり。歌い方によっては雷にもなったりしますが、基本的に温度は高い)

対局にあるような2つの声がケンカしないのはなぜなのか、それはよくわからない。気持ちの持っていき方が同じ(目的地や傾斜が同じ)なのか、真逆のようで成分的には似ているところがあるのか。ただ1つ言えるのは、 わたしはその重なった冷たくて甘い響きがすきだということ。

直線と曲線

2人ともなにわ男子では浮くほどダンスのキレがすごい。ただしこれまたタイプは全然違う。

丈くんは基本的に元のフリに忠実なんじゃないかなと思ってる。トメがしっかりしていて、 点から点の動きは最短距離でありスピーディで無駄がない。一つ一つの動きに意思があって、 目線から指先の動きひとつにも意味を感じる。力がこもってて、"抜く"瞬間はあまり見受けられない。真面目なんだと思う。 ダンスって上手い下手だけじゃなく性格が出る気がする。感覚的ではなく、「この曲のこのフリ」って覚え方かな?ただこれはフリ通りに踊る必要がある場合で、フリーのときは感情優先でその場に合わせた動きができるっていうおもしろさもある。
大橋くんはもちろんベースありきではあるんだけど、 枠から外れるダイナミックさがあり、彼だけ別のダンスを踊っているように見える瞬間がある。例えば今年の少年たちで披露されたBANGER NIGHT(Hey! Say! JUMP)。あれはかなり衝撃的で、 鈍器で頭を殴られた上、血を吸い取られた…みたいな…(なんだそれ)わたしも友人もしばらくうなされた。彼のダンスは点から点の動きが曲線で、軌跡まで美しい。入所以前からダンスを習っていたということもあり、本能的に動いている部分が大きいと思っていて、細かいニュアンスというよりは遠目で見たときの全体で伝わるものがある。何人で踊っててもすぐにわかるというのはストロングポイント。
これまた形の違うスタイルなのに、ズレは感じない。それはお互いが止めるポイントをきちんと認識していて、その"点"がズレていないからかな。キメるところがバッチリ。

歌にもダンスにも関係ないけれど、最近のパフォーマンスで心震えたのは、in大阪で披露されたKinKi Kidsスワンソング。コーナーを手掛けた河合くんが天才すぎて困ります。

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向かい合う相手に4拍かけて手を伸ばし、4拍留めてからまた4拍かけてゆっくり引く大橋くん。大橋くんが伸ばした手に呼応するようにパッと手を伸ばして、パッと手を引く丈くん。

オタクだから、もうこれだけでめちゃくちゃ丈橋を感じてしまう。

これ、たぶんフリとして決まってたわけじゃない。決まってたらたぶん同じタイミングで手が伸びてくるはず。相手がアドリブで手を伸ばしてきたことでスイッチが入ったことを本能的に察知できるし、それが2人として魅せるパフォーマンスとして最良だと信じられているからこそ即座に反応できて、結果として丈橋としての魅力を120%引き出せるの、もうそろそろこわくない?わたしはこわい。丈橋こわい。

ボケとツッコミ

本当にあったリューンカーテンコールの話。

#大橋和也のめちゃくちゃカーテンコール

#ツッコミの天才藤原丈一郎

これはキャストさんにより作られたタグです(マジ)これだけで丈橋を体現している。丈橋漫才は常日頃から行われているので、とりあえず上のタグやらISLAND TVをご覧ください(突然投げやりだな、オイ)

 

 

繊細でまっすぐな人と怖いもの知らずでおおらかな人

藤原「このお話を聞いた時、21歳にもなって出演と主演という字の意味が分からなくなりました(笑) いきなりのことで、 何が起こったのか分からなかったです。初主演、そして初のミュージカルという重圧に緊張している自分に、今とても 緊張しています…(笑) そして、今回W主演の相方が同じ関西ジャニーズJr.の大橋和也 9年の付き合いなのでベストパートナーとして全力で頑張ります!」

大橋「今回、初主演でミュージカルをやらせていただけることになってすごく嬉しいです!!!ミュージカルに出演するのが夢でもあったので、主演が決まった時はずっと飛んでいました(笑)W主演の藤原丈一郎くんには迷惑をかけるつもりです笑笑

先輩なので色々と教えてもらおうと思います!共演者さんとも仲良くなってたくさんの事を教えてもらい、たくさんの方に「大橋成長したなぁー」と言ってもらえるようにすごくすごく頑張ります!!!

今は不安より嬉しさや楽しみの方が勝っているので、稽古や本番が楽しみです!!!!!」

(関西ジャニーズJr.藤原丈一郎&大橋和也が初のW主演 ミュージカル『リューン~風の魔法と滅びの剣~』上演が決定 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア ... https://spice.eplus.jp/articles/155775

う〜ん……この対比。緊張やプレッシャーの色が濃い丈くんと、「楽しみ!」と言い切る大橋くん。「ベストパートナー」という対等なことばで2人を表す丈くんと、「迷惑をかけるつもりです笑笑」とあくまで自分は寄りかかる方であると公言する大橋くん。

藤原「『リューン~』でオレ、6~7㎏ヤセたもん。プレッシャーと、自分の実力のなさが悔しくて、メシが食われへんかった。周りの方と比べて、歌も芝居も、発想力や取り組み方も何もかも足りなくて。15年の中で1番悩んだよね。うれしい悩みやけど、しんどかった」

(『WiNK UP』2018年10月号)

リューン初演からしばらくたったあとのこの発言、再演を見に行くにあたり見つけて驚いた。まだ丈くんは器用でなんでもそつなくこなしそうと思っていた頃。ああ、この人は陰で努力をする人で、繊細で、だけど弱いところをこうして話せる強さがあって、人間らしくて魅力的だなぁと思った。

大橋「丈くんはおもしろいし、トークもうまくていいなぁって思うけど、めっちゃ考え込むから心配にもなる。ボクは考え過ぎると頭がパンクするし、一緒になって考え込んでたら周りから心配されるから、丈くんの隣で笑ってたいなって思ってるねん。」(『WiNK UP』2018年12月号)

ほんと……(ことばが出ない)千秋楽後の関ジュ日誌では「大橋がいなかったらご飯もいけなかったし、カンパニーのみんなと喋れなかった」(概略)と丈くんに言われたことを大橋くんが書いていたようです(それに対して「可愛いかよ」という大橋くんがどこまでも1枚上手でしんどい)大橋くんからは「じょーくん(藤原丈一郎)がいてくれたおかげで緊張せずにみんなと喋れたし、安心できた」(概略)「だからいてくれてありがとー」個人的には"いなかったら"を想像する丈くんと"いてくれたおかげで"とあくまで事実を語る大橋くん、全く似てなくてしんどいです。 なんかもう、あまりにしんどいんですけど、筆置いていい?(PCで打ってるのに?)

藤原「僕が持ってないものを持っているのが大橋ですね。」

(『Stagefan』 Vol.1)

これはリューン初演の頃。究極の殺し文句じゃない? こんな風にまっすぐな気持ちを言える丈くんにわたしは憧れます。

〔○○の実はここがすごい!〕

藤原「大橋は怖いもの知らず。思ったことを素直に言う。俺やったら絶対言わん。」

大橋「丈くんは言いにくいことを上手に言える人。」

(『an・an』 No.2161)

これびっくりした。丈くんは大橋くんを思ったことを素直に言う人だと思ってるのに、大橋くんは自分が言えないことを言える丈くんをすごいと思ってる。なんだこれ、哲学か?丈くんは大橋くんの言いにくいことを無意識に言える人。お互いにないものを補って無敵になれるから、強い。

4.2人をつなぐ"覚悟"

 彼らを気になり始めてからすぐにROTを見た。そこで2人の「背水の陣的な思い」を知る。

たぶん1回しかないと思うんですよ。年的にもやし。だからこのチャンスをちゃんとものにしたいし、個々で頑張らないといけないなっていう気持ちはあったんで、ずっと個々で、個々でって考えてました。頑張るしかないっすね!」

Ride On time「はじめまして、関西ジャニーズJr.です!#3 結束のとき」

"たぶん1回しかない""個々で"それまで公式のグループに一度も所属していなかった大橋くんのこのことば、すごくシビアで現実的なことを言うなと思ったけど、ほんとにそういう世界なんだろうね。

「1回、2回、3回は就職しようと思ってたんですよ。で、企業の説明会見たいなんにも行って、でもその時に「何したい?」って会社の人に言われて「喋りたいです」って言って。「営業?」って言われたんですけど「営業ではないんすよねー」みたいな。やっぱりたくさんのお客さんの前で喋ったりしてるのが一番活き活きするので、だから、やっぱこっちの仕事なんやなって。天職でもあり…怖いし。めちゃくちゃ怖いですよ、だって人生を賭けるみたいなもんやから

Ride On time「はじめまして、関西ジャニーズJr.です!#2 夢の舞台」)

わたしが個人的に思うに、丈くんはきっとどこにいても全力で生きていける人なんだと思う。たとえアイドルじゃなくても。それでも人生を賭けて、自分が1番輝ける場所を選んだ。社会人の自分にとってその決断の重さは身に沁みるし、険しい道でもやりたい方を進む姿は眩しくてカッコいい。

何回見てもこの2人がなにわ男子に賭ける思いに胸がギュッとする。こうした背景を知り改めて見てみると、2人が目の前の一瞬一瞬を逃さずに活動していることを強く感じる。「(仕事が)一個だけじゃなく同時進行しているのが嬉しい」と言う丈くんに大橋くんも同意して、「売れっ子!」と笑う2人を見て、仕事に対する熱量や「目の前のチャンスを絶対に掴む」っていう覚悟が同じなんだと思った。

舞台であっても、ライブであっても、SR配信であっても、まいジャニであっても、24時間テレビであっても、トークであっても、パフォーマンスであっても、どんな仕事も2人はお互いを頼りにして全力を尽くしていると思う。丈くんの口にしていた"大縄の両端"、これもまたいい得て妙。W主演舞台。グループ結成。前人未到のバーチャルジャニーズ。ここまでくると、たぶん2人は「こいつとなら見たことがない景色を見ていける」と確信していると思うし、ライバルでパートナーというではなく"協業"という戦略的な意識もありそうなところもすきだ。 

 

わたしはいつの間にか丈橋という甘くて冷たい海に溺れていて、その海が見せてくれる景色はどの時間も輝かしく、これから先もこうしていろんな景色を覗かせてもらえたらうれしいなと思う。